ハトゥハのファン動画発 「トゥルットゥ」ブーム BESTie「Love Options」が流行るはっきりとした理由

この記事のアーティスト Hearts2Hearts

トゥルットゥ トゥルットゥットゥ
私 特に望むものはありません
トゥルットゥ トゥルットゥ トゥルットゥットゥ
私 本当に何も望んでいません

このフレーズで始まるサビが印象的な2013年のK-POPの曲が、韓国で大ブレイクしている。発売から時間がたった曲が、あとからチャートを上がっていく現象だ。韓国では「チャート逆走」と呼ばれる。

当時活動していた4人組ガールズグループ「BESTie」の「Love Options」。
原題は「恋愛の条件(ヨネエ チョッコン)」だ。

今回の逆走には、韓国でもこれまでになかった形と、これまでと同じ形の両方がある。

全く違う曲の振付に重ねて「なんかハマる」

きっかけは、2026年7月28日にHearts2Heartsのファンのチャンネル「ハツスン」がYouTubeに投稿した19秒のショート動画だ。ガールズグループHearts2Heartsが新曲「Lemon Tang」を踊る映像に、BGMとしてこの「Love Options」を重ねた。映像は、Hearts2Heartsが7月3日に出演した公営放送「KBS」の音楽番組『ミュージックバンク』のものだ。9月24日時点で、再生数は143万回に達している。

全く違う曲なのに、なぜか動きとハマる。
なんか面白い。ここから始まった。
これが、これまでになかった形だ。

韓国の通信社「ニュース1」は9月1日の記事で、この動画を逆走のきっかけとして取り上げた。「Hearts2Heartsの振付が『Love Options』に寸分違わずはまったことが注目を集めた」。いっぽう、これ以前から、「Love Options」には小さな波があった。韓国のネットメディア「ザ・ファクト」によると、この曲のMVは5月17日にYouTubeの日間人気MVチャートで64位に入り、翌日には7位まで上がっていた。

韓国の女性が多く集まるネット掲示板「theqoo」には、8月31日に「今まさに13年ぶりに逆走が始まった曲」というスレッドが立った。投稿者は「中国を中心に海外でショート動画のチャレンジが流行り、それが韓国にも戻ってきた」と書いている。再評価される小さな芽は吹いていたのだ。

いずれにせよ、「Love Options」は韓国のチャートで順位を上げた。9月20日時点でYouTube韓国の日間ショーツ人気曲チャートの2位に入っている。

その後もこんな動きが起きている。

Hearts2Heartsの映像に「Love Options」を重ねた動画は、ほかのチャンネルからも出た。
7月30日 YouTubeのチャンネル「ユジェムピック」
7月31日 YouTubeのチャンネル「always_ply」 9月24日時点で917万回再生

また、別のアーティストの楽曲にこの楽曲を重ねたり、チャレンジ動画を取る動きも。

TWSの「You, You」やRESCENEやKiiiKiiiのステージ映像に重ねる映像。
TWICEナヨンによるチャレンジ動画。
9月28日時点でTikTokでこの音源を使った投稿は約57万件(ニュースサイト「ウィキツリー」)。

などだ。

作曲家は「Rollin’」と同じ

では、「これまでと同じ形」とは何なのか。全然関係ないグループの動画に重ねて「なんかハマって面白い」という、はちゃめちゃな流れのどこに、そんなものがあるのか。

答えは作曲家だ。

この曲を作ったのは、韓国のプロデューサー「Brave Brothers」(ヨンガマン・ヒョンジェ、勇敢な兄弟)だ。2021年に同じく逆走し、社会現象まで起こしたBrave Girlsの「Rollin’」と同じ作曲家なのだ。

そりゃ、曲のクオリティーが高いに決まっている。Brave Brothersは過去に、BIGBANG「LAST FAREWELL」やSISTAR「Alone」、AOA「Heart Attack」などの曲を手がけてきた。

では、2013年にリリースされたこの「Love Options」。
当時の音楽番組の動画には「率直な歌詞が魅力」とある。どんな内容を歌っているのか。

この曲の主人公たる女性は、さんざん恋人に求める条件を並べたあとで「特に望むものはない」と言う。1番の歌詞で主人公が並べるのは、言い寄ってくる男たちの欠点だ。背が低い男、性格が良すぎて女性関係が心配な男、一日中自慢ばかりする男。そのうえでサビに入ると、理想の相手の条件を挙げていく。背が少し高くて、俳優カン・ドンウォンに少し似ていて、女性の気持ちを少しだけ分かってくれて、少しお金がある人、と。100本のバラやダイヤの指輪も欲しいと言う。

それでいて、今回SNSでバズった締めに近いパートでは「トゥルットゥ トゥルットゥットゥ」とちょっとおちゃらけたあとで、こういうのだ。

「私 本当に何も望んでいません」

そして最後に、「自分だけを見て大事にしてくれる人ならそれでいい」という言葉で終わる。

BESTieの今

では、この楽曲をうたったBESTieとは、どんなグループなのか。

2013年7月12日にデビューした。メンバーのヘヨン、ユジ、ヘリョンの3人は、2012年にガールズグループ「EXID」で活動していた。3人はEXIDを離れたあと、芸能事務所「YNBエンターテインメント」と契約し、ダヘを加えてBESTieを結成した。

2017年9月、ユジとダヘが事務所との契約を終えてグループを離れた。2018年10月26日には、ヘヨンが別の芸能事務所「スターENT」に移ったことが発表された。BESTieは、解散を公式には発表していない。韓国の芸能ニュース紙「スターニュース」によると、ヘヨンは今トロット(韓国の演歌にあたるジャンル)の歌手、ユジはミュージカル俳優、ダヘは歌手兼インフルエンサーとして活動している。ヘリョンは俳優の道へと進んだ。

今回の「逆走」には、メンバー本人も反応した。韓国のスポーツ・芸能紙「エクスポーツニュース」の9月14日付の記事によると、ユジは自分のSNSにチャートの画面を載せてこう記している。

「わあ、活動していたときはあんなにTOP100入りを願っていたのに、逆走だなんて」

ダヘは8月1日、自分のYouTubeチャンネルに動画を投稿した。タイトルは「私のせいで恋愛できないって人たち、お姉さんがごめんね」だ。8月3日には、YouTubeのチャンネル「今日の選曲 – おすすめ音楽」が、ヘヨンとヘリョンが13年ぶりにこの曲の振付を踊る動画を投稿し、再生数は83万回に達している。

9月28日には、韓国最大の音楽配信サービス「Melon」のTOP100で64位に入った。9月22日には、BESTieの4人が再結成すると、芸能ニュースサイト「ニュースエン」が報じた。4人がいつ、どんな形でファンの前に立つのか、9月29日の時点で発表はまだない。

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