ちいかわが韓国で”本格ブレイク”へ 4年前から積み上げられてきた土台 

10月1日18時、日本のキャラクター漫画「ちいかわ」のキャラクターたちが韓国の音楽番組に出演した。作者のナガノさんが2020年にX(旧Twitter)で「ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ」として連載を始めた漫画だ。

ケーブル局「Mnet」の音楽番組「M COUNTDOWN」に出演した。本来は、K-POPのグループが新曲を披露することでも知られる番組だ。ちいかわたちはそこで映画の劇中歌「島のうた」を歌った。

前日の9月30日には『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』が韓国で公開された。公共放送「MBC」は同日朝のニュースで、予約観客が22万人を超えて予約率1位になったと伝えている。数字の出どころは韓国映画振興委員会。韓国で映画の観客数を集計している公的機関だ。

なぜ韓国でここまで。答えはソウルのポップアップストアにある。2022年から行列ができていた。

ちいかわは韓国でどれほど人気なのか。

開店2時間で待ち番号1000番 ソウル龍山の行列

韓国でもキャラクターは「ちいかわ」の名で知られている。作品全体を指すときには「モンジャククィ」とも呼ぶ。原題の後半「なんか小さくてかわいいやつ( 뭔가 귀엽고 작은 녀석)」を韓国語に訳し、その頭文字を縮めた呼び名だ。

現地での人気は、4年間に渡り積み上げられたものだ。

2022年11月、ソウル・弘大(ホンデ)にちいかわのポップアップストアが開店した。経済誌「イコノミスト」は同年12月10日、寒さの中でも開店と同時に客が駆け込んだと報じている。

2024年9月には、ソウル・龍山(ヨンサン)の商業施設「アイパークモール」で、ナガノさんのキャラクター公式ショップ「ナガノマーケット」がポップアップを開いた。経済紙「韓国経済新聞」の見出しは「MZ世代18万人がクリック合戦」。MZ世代は、韓国で1980年代から2000年代はじめに生まれた世代を指す。経済紙「毎日経済」によると、事前予約は満席になった。

同じ年の12月、アイパークモールのポップアップでは開店から2時間で入場の待ち番号が1000番を超えた。10日間の来場者は約3万人。経済紙「イートゥデイ」が伝えている。

2026年2月、アイパークモールに韓国初の常設店がオープンした。同じ月には韓国プロ野球の「LGツインズ」とのコラボ商品も出ている。

常設店になってからも、店の前には列ができる。イートゥデイは9月22日の記事「『韓服ちいかわ、3時間待ちました』モンジャククィの韓国制覇記」で、9月19日の様子を伝えた。土曜14時の時点で待ち番号は1160番台。入店できたのは17時以降だった。韓国の伝統衣装である韓服を着たちいかわのグッズは売り切れている。スポーツ紙「エクスポーツニュース」も、アイパークモールで「7時間待った」と話すファンの声を紹介した。

前売り2万枚から21万人へ

9月23日に現地公開された映画の勢いもすごい。イートゥデイによると、映画の前売りは9月15日の時点で2万枚を超えていた。全体の予約順位は5位。舞台あいさつの約3000席とプレミア上映会は、この時点で完売していた。

9月22日、経済誌「エコノミックレビュー」は1日で5万枚が売れ、予約順位が13位から5位に上がったと報じた。エクスポーツニュースによると、9月26日19時10分の時点で予約観客は13万4038人。予約率で全体1位になっている。

この時期の韓国は秋夕(チュソク)の連休中だった。秋夕は旧暦8月15日の韓国のお盆だ。「毎日経済」によると、連休の興行1位は韓国映画『暗殺者(たち)』で、観客は156万人。ただし予約率の1位はちいかわだった。

公開当日の9月30日、韓国のニュースサイト「TTLニュース」は予約観客を21万388人、予約占有率を41.4%と伝えた。予約率2位の『暗殺者(たち)』は11.3%(5万7351人)。ちいかわは、その約3.7倍の予約を集めたことになる。プレミア上映会の平均座席販売率は92.1%だった。

経済紙「イーデイリー」は9月29日の記事に「俳優がいなくても20万人が予約した」と見出しを付けた。記事には次の分析がある。

2026年の「韓国内の映画興行ランキング1位」もありうるか。この点も見どころだ。

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