fromis_9が1年ぶりのカムバックを果たした。
6月5日、タイトル曲「#menow」をひっさげ、ソウル廣津区のYES24ライブホールに姿を見せたのだ。
彼女たちが伝えたいメッセージは何なのか。
K-POP業界では必ず新譜発表の際に事務所側から「公式曲紹介」が添えられる。そこにははっきりと「制作側が伝えたいもの」が記されている。今回もそうだ。
”今の「私」の姿を率直に見せ、さらに近づきたいという願い”を込めている。
日本のファンの多くはYouTubeで彼女たちの姿を眺めることになるのでは? この公式曲紹介には、その際に「ああこんなことを考えているんだな」と想像を膨らませるヒントがふんだんに散りばめられている。一つの歌詞、一つの振り付け、一つのジャケット写真のポーズに…。
ここでは韓国語による曲紹介の全文翻訳を。
グループのfromis_9が初のアルバム「Unlock My World」でカムバックを果たす。昨年6月、グループ5作目のミニアルバム「from our Memento Box」により「サマークイーン」と呼ばれるようになった彼女たちが約1年ぶりに発表する新曲として、世界中のファンの期待を集めている。
より成長したfromis_9が、率直で自信にあふれる魅力で戻ってきた。メンバーたちはこのアルバムを通じて、今までに明かされなかった孤独で寂しい一面を見せつつも、自分自身を取り巻く感情や状況を乗り越えて、前に進もうとする決意と勇気をリスナーに伝える。
特にfromis_9のアルバム発表は、ミニアルバム以外ではデビュー後約5年ぶり。fromis_9は成熟したそこまでの過程や、より表現できるようになった感情の範囲、メンバー個々人のはっきりとした個性と伝えたいストーリーをこのアルバムに詰め込んだ。
fromis_9は今回のアルバム「Unlock My World」で「私の世界を解放し、より広い世界に進む」ことを望んでいる。これは小さな世界である「My World」に閉じ込められないという意志のこと。また、他人が考える理想的な姿を捨て去り「本当の私」として世界と向き合おうとする積極的なメッセージでもある。
以前と変わらず安全な空間、それは慣れ親しんでいるゆえ、快適かもしれない。しかしfromis_9はそれを拡大するために勇気を持った。心配したり恐れたりするのではなく、好奇心で自分自身を興奮させて世界と向き合うことを決心した。以前のように止まらず、できる限りをやってみて、あなたとより深く交流したい「私」になるために心を注ぐ。
アルバムのジャケットフォトでもこの方向性を垣間見ることができる。今回のアルバムのジャケットは、3つのコンセプトで公開され、メンバーそれぞれの真実の「私」を表現した「reality」、自信に満ちた姿で成熟した「imagine」、それでも時折試練に立ち向かいながら共に頼り合って進む「notyet」などの瞬間を捉えている。
fromis_9の明確な意志は、アルバムのタイトル曲「#menow」で最も際立っている。多くの人たちに今の「私」の姿を率直に見せ、さらに近づきたいという願いを込めている。メンバーの洗練された繊細なボーカルとコンテンポラリーなリズムが絶妙に調和し、音楽的な完成度の高い曲となっている。
fromis_9はこの曲で、他人に本来の私を見せることに迷いがあったものの、結局どんな姿であっても自分がいるという自信を示す。「全てが私だよ。このままでいい」という歌詞から、より強固になったfromis_9の内面を垣間見ることができる。
「#menow」では、fromis_9は自分の小さな世界から一歩踏み出し、より大きな世界に向かう瞬間を夢見ている。真の「私」の本来の姿を示し、率直な感情を共有することで、より近くなることができるという信念だ。
「#menow」のミュージックビデオでは、fromis_9は自分を取り巻く小さな世界を後にして新たな未知の世界に足を踏み入れる。小さな世界に取り残されたメンバーたちは退屈そうで寂しげに見える。しかし、彼女らが集まれば世界は変わり、団結することで新たな場所へ再出発の準備を整えていく。上品で繊細な振り付けと華やかなパフォーマンスはもちろん、fromis_9の独特なビジュアルも魅力的だ。
「Unlock My World」には、タイトル曲「#menow」を含む全10曲が収録されている。fromis_9は飾り気なく自分自身を全て見せる時、相手とより近くなることに気付き、前に進む一連の過程をアルバムに込めました。
従来のカラーはもちろん、新たな挑戦を通じてさまざまなジャンルを消化したfromis_9は、6つのグループ曲と多様な構成の4つのユニット曲で、それぞれ異なる魅力を表現している。
アルバムのオープニングを飾る1曲目の「Attitude」では、ダークな雰囲気への変身を試みる一方、7曲目の「Bring It On」では、fromis_9とハイブ・バンシヒョクプロデューサーが初めて出会い、驚くべきシナジーを生み出した。
メンバーたちの積極的な参加も際立っている。パク・ジウォンは3曲目の「Wishlist」の作詞・作曲、ペク・ジヘンは4曲目の「In the Mirror」と6曲目の「Prom Night」の作詞、イ・ソヨンとイ・ナギョンは9曲目の「My Night Routine」の作曲に加わった。特に10曲目の「ヌンマッチュム(目を合わせる)」では、全メンバーが作詞に参加。ソン・ハヨンは作曲にも参加し、曲に特別な魅力を加えた。flover(fromis_9のファン)と共に過ごした日々を思い出し、未来を語るfromis_9の本気度を感じさせている。
(了)
翻訳=編集長 吉崎エイジーニョ
訳者から一言:よ~くこの「公式曲解説」翻訳はやってきましたが、一種独特なスタイルがあります。まず必ず「ですます調」で終わるため、意外とお堅い文体になることが多い。さらに一文が長い! 今回は少しだけそこを整えて、できる限り原文に忠実に記しました。ちなみにこの「公式曲解説」、事務所の現場トップの方が書いていることが多いようです。