いよいよ明日に迫った「BTS釜山コン」。正式名称は「BTS WORLD TOUR ‘ARIRANG’ IN BUSAN」。6月12日(金)・13日(土)の2日間、釜山アシアード主競技場で開催される。メンバー7人全員が兵役を終えて揃っての公演だ。チケットは4月29日のファンクラブ先行で即日完売。6月13日(土)のライブビューイングは日本全国の映画館でも実施される。
BTSと釜山、といえば、前回は2030年の釜山国際博覧会誘致祈願、と銘打って行われた無料コンサートだった。あれから3年8ヶ月。同じ会場に、BTSが戻ってくる。
会場となる釜山アシアード主競技場近くに住むムン・デジュンさん(40代)はこう話している。
「6月10日の時点ですでに近所には外国人のファンが多い印象でした。市内の繁華街よりも、ビーチのある海雲台や広安里に観光に行っている印象です」
ここでは、会場の「釜山アシアード主競技場」がどんな場所かについて。日本から中継を閲覧するファンの皆様が、映像を見ながらちょっとでも雰囲気を想像していただくべく。
名物の野球場も隣接する「運動公園地帯」
釜山市民にはふだん「アシアドゥ(日本式に言えばアシアード)」と呼ばれるスタジアム。現地音では「プサン・アシアドゥ・チュキョンギジャン」という。5万3864人収容の大スタジアムだ。02年に同市で行われたアジア大会のメイン会場として使用された。名前の由来「ASIAD」は「アジア大会」の英語の愛称だ。
一般的に「アシアドゥ」と言えば、釜山地下鉄の社稷(サジク)駅から、総合運動場駅周辺を指す。
前述のスタジアム近所在住のムン・デジュン氏はこう話す。
「ただ、アシアード自体はじつは市民でも知らない人がいるんです…。タクシーに乗っても運転手さんが知らないことがある。となりのサジク野球場の名前を出して説明することもあります」
地名で言えば「社稷(サジク)」。スタジアムの住所は釜山広域市蓮堤区(ヨンジェ区)だが、釜山広域市東莱(トンネ)区社稷(サジク)洞との境界近くにあり、この一帯はざっくりと「サジク」として知られる。
市内の中心地「西面(ソミョン)」から地下鉄で一度乗り換えを含む6駅。少し外れにある住宅地は、「イベントのある時に盛り上がる場所」として知られる。「アシアドゥ」競技場と合わせ、ロッテジャイアンツのホームスタジアムである「サジク野球場」もある運動公園エリアなのだ。
このエリアは一般市民にとってはなんといっても野球場のイメージが強い。熱狂的なファンが多いが、1992年以降優勝から遠ざかる「ロッテジャイアンツ」のホームスタジアムとして使用されている。今回のBTSコン会場であるアシアードは01年オープンだが、野球場の方は85年オープン。
スタジアム前から坂道に沿って飲食店が軒を連ねる。当日のスタジアム周辺はかなりの混雑が予想される。
すでに釜山の街なかでも熱気は感じられるという。ムン氏はこうも言う。
「当日は交通規制をすると聞いています。私の帰宅時間と重なるので、少し頭が痛いです。友人と飲んで、タクシーで帰るしかないかも」
「宿に関するトラブルは耳に入っています。料金が高くなっている、あるいは集団キャンセルがあったり。いち市民として聞くに、もう防ぎようがない面もあるんじゃないか。そうも感じます」
気になる当日の天気だが、釜山KNNの予報によると、12日(金)は雨がちで最高気温24〜27度、雨は午後から止む見込み。13日(土)は曇りで雨の予報はない。
韓国人にとっても「縁起のいいスタジアム」
もともと「アシアドゥ」は、オープンから20年以上が経ち、老朽化も指摘されてきた。2021年2月には、スタジアムの白い屋根が強風で吹き飛んだこともあった。20年前のビッグイベント以降、なかなかよい活用案が見いだせていなかったスタジアムの一つでもある。
言い換えるならば、今回のBTSのコンサート開催はスタジアムにとっても「またとない出番」でもあるのだ。
何よりも、このスタジアムは2002年6月4日に行われたサッカー日韓W杯で韓国が歴史に残る勝利を挙げた場所として知られる。ポーランド相手に2-0の勝利。これが1954年の初出場以降、初めての本大会で勝利だったのだ。この勢いに乗って韓国はW杯で奇跡的なベスト4入りを果たした。BTSメンバーは92年~97年生まれ。5歳から10歳の頃の出来事だから、記憶にあるのではないか。
いずれにせよ、韓国国民にとっても縁起のいい場所で行われる、BTSの釜山コンなのだ。