”職安通りのでっかいドンキ”
その正面入口から、明治通り沿いに少し歩くとその店はある。
「バービー(Barbie)」
K-POPバー。世のカテゴリー分類に沿うとそういうことになる。カウンターに女性がいるものの、いわゆるガールズバーではない。
ただこの場所、こちらの定義で説明し直したほうがしっくりとくる。
「家にそのまま帰りたくないないな~という時にふらっと寄るにいい場所」
まあこのバーたるもの、そんなの当たり前の機能だ。
ただ当地で12年間続いてきたこの店、その”表現方法”がすごい。
とにかく敷居が低くて、自由。オープン。2階にある店舗ということもあり、窓から外の風景が少し見えることも開放感をプラスしている。
店長のキム・テヒさんは言う。
「お客様からはカラオケがなくて、財布に優しくて、アットホームなところがいいとよく言ってもらえます」
アットホーム、というのは「時に客同士が会話を始めることがある」という意味だ。
常連客はよくここでK-POPを語る。男性が多いから、どうしてもガールズグループ中心になるのだが。
カウンター奥に据えられているモニターがその”中心”だ。
そこから次々と古いもの、新しいものが流れてくる。別に最先端の巨大スクリーンなわけでもなければ、音響がすごくいいわけでもない。絶妙なサイズで、その周辺の席の話題の中心になる。
バー全体を支配する大きさじゃないから、遠い席の人は別の話題で盛り上がっている。
だから「こんな曲かけて」とカウンターにリクエストがすごくしやすい。
また最新のNewJeansやらIVEやらがかかった際には”カウンター”の出番だ。若い女子が「これが流行りなんですよ」と説明してくれたりもする。
幾多のそんなやりとりが繰り返されてきた。
日本在住や旅行中の韓国人も多い。そういった人たちは「K-POPとか関係なく勝手に飲んでる」。
女性客もいるにはいる。たまにスクリーンで自分の知っているグループが映ると「わ―知ってる~」とリアクションした後、勝手にまた飲んでいる方が多い印象。
さらになんと「いつもカウンターでノートパソコン広げて仕事をしてるお客さんもいますよ」(キム・テヒ店長)。
取材時にこちらから試しに「読書しに来たいんだけど」と言ってみると「どうぞ」。
確かにカウンターから離れたテーブル席も大小4つがあり、十分に可能そうだ。
つまりここはこういう空間なのだ。
「誰にも関わりたくないけど、孤独にはしてくれるなという微妙な心情まで叶えてくれる場所」
店名の由来は先代のママから。バービーみたいな美しい韓国女性だった。そのママが昨年7月に亡くなり、一時お店はクローズ。しかし常連客の支援により3月に再オープンした。
彼女は「日本の人も韓国の人もそこにきてわーっとやってくれること」を喜ぶ人だった。とりわけ韓国に興味を持ってくれる日本の人たちをイジりながらも迎えてきた。
そんな彼女のマインドが引き継がれる店。ふらっと訪れて勝手にどうぞ。
料金:「指名料、サービス料、時間延長料金いっさいなし」
チャージ=500円で何時間でも滞在可能
飲み物=ショットで飲むと生ビール1杯800円など
キャストに一杯プレゼントしたければ=800円
周辺の店舗と比較するとまさに「破格」!
(了)
<リニューアルに際しアルバイト募集中/シフト、かなりフレキシブルに相談可能!>
募集に関する問い合わせはこちらでも。
店長テヒ(日本語可能)
08034373074
LINE: taehee1224
taehee_1224@softbank.ne.jp
文=吉崎エイジーニョ(編集長)