新年度となる4月がスタートした。
受験生にとっては「志望校を決めていく時期」では? ここではひとつ「合格に向けて密かに頑張れそうなプチ情報」を。
「K-POPアイドルたちの韓国の母校と提携している日本の大学・学部」
この大学に入学すれば何かの資格や名称が正式に付与されるわけではないが、「あのアイドルの姉妹校出身」という話は小ネタとして言える。受験生たちを応援すべく(!?)独自調査してみた。
ASTRO チャウヌ
成均館大学芸術学部演技芸術学科―明治大学情報コミュニケーション学部・大学院情報コミュニケーション研究科
明大の情報コミュニケーション学部は、チャウヌの成均館大学出身学部と”ガチ”の提携関係。今回の調査で最も精度の高い情報だった。
2014年8月の明大側による発表によると、同学部および大学院は、成均館大学芸術学部・芸術学研究科(韓国)との間で協力協定書と学生交流計画の実施に関する覚書を締結した。
最近のK-POPアイドルの中で、ASTROチャウヌがソウルの名門私立大「成均館大学芸術学部演技芸術学科」で学ぶ姿は特筆すべきものだ。詳しくは後述するが、最近は韓国の男性芸能人の進学率が下がっている点に加え、進学しても通信教育が主流になっているからだ。
韓国のウェブサイトには2016年の入学時の写真やその後のオンライン授業出席時の様子も報じられている。2022年には在校生として大学公式サイトのインタビューに答え、学生としての自分は「やってみたいこと、知りたいことが多いスタイル」だとしている。2023年には新入生たる後輩たちにお祝いのメッセージを送ったりもしている。
本人は2016年10月13日に放映されたKBS2バラエティー番組「ハッピー・トゥゲザー3」で「中学校時代にテストの成績で学年3位にまでなったことがある」と明らかにしたことがある。もともとは裁判官志望で、中3まではソウル大進学を目指していたとされる。
その中学時代の学校文化祭で現所属事務所にスカウトされた話はよく知られるところ。2016年当時の「釜山日報」は「両親の断りにもかかわらず、幾度も所属事務所がアタックした」「本人もまさかの芸能人の道を歩むことになった」点を伝えている。
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成均館大学芸術学部のPR映像
そんなチャウヌの母校に「明大経由で留学」という手段もありそうだ。もちろん大学側からの派遣で現地に行く場合は、その枠を巡っての入学後の競争もあるだろうが。明大公式サイトには、実際に2018年に留学した情報コミュニケーション学部学生の体験談も記されている。
TWICE ナヨン・BTS JIN・SHINee ミンホ
建国大学―東洋大学、関西大学、法政大学、お茶の水女子大学、天理大学、北里大学など
3人ともにソウル市内のホットプレイス・ソンス洞近くにキャンパスがある建国(コングク)大出身。芸術デザイン学部で学び、ナヨンとJINは映像関連を、ミンホはポストモダン音楽を専攻。JINは2011年入学で17年卒業し、ナヨンは2014年入学、という点が韓国では報じられている。
ナヨンは2018年5月にTWICEのメンバーとして同校の学際に「凱旋」。ジヒョから「ナヨンオンニは建大(コンデ)に通ってるじゃない?」と話を振られ、照れてあいさつする姿がキャッチされている。
この学部、2015年に映画学科と映像学科の統合が実施された関係もあってか、上記のチャウヌ=明大のような明確な学部間提携は目立ったものがない。一方、ソウルの名門大ということもあってか大学全体での日本との提携は数多く見られる。文系・理系双方の学部が存在するが、語学留学であれば同大の言語教育院に通うケースが多いと思われる。これはナヨン、JIN、ミンホが通ってきたキャンパスと同じソウルのメインキャンパスに位置するため「日々聖地巡礼」も可能そうだ。ちなみにこちら建国大も、韓国で「イン・ソウル」と呼ばれるソウルに立地する大学のため、名門校として見られている。
で、第4世代はどうなってる?
そのほか、俳優のヒョンビン、ユリ(少女時代)、スヨン(少女時代)の中央(チュンアン)大と、(日本の)中央大、明治大学、大阪工業大学などとの提携関係や、
俳優のコン・ユ、ハン・スンヨン(KARA)、キュヒョン(SUPER JUNIOR)の慶熙大学と神田外語大などとの提携関係がある。
で、若い読者の皆様なら「第4世代のグループからは出てこないの?」と思われるだろう。
調査してみて分かった。「あまり出てこない」。
2022年には「IVE」のチャン・ウォニョン、リズ、「NewJeans」のミンジ「NMIXX」のジニ、ソリュン、ベイ、「STAYC」のユン、ジェイらが韓国版大学入学共通テストたる「大学修学能力試験」を受験しないことが韓国メディアで報じられた。
かつては芸能人にも学歴が求められるような時代があったが、2010年代中盤以降、いくつか時代の潮目を変える出来事があったからだ。
最初に影響力を持ったのは2014年のIUの発言。「大学は勉学で苦労した人が入るべきもの」。というのも当時は「特例入学」と言って、大学側が有名芸能人を試験なしで合格させる方法も多く見られたのだ。
いっぽう2018年にはアイドル歌手の「特例入学」が問題視された。ソウルにキャンパスを置く私立大学にて、面接入試の結果、合格と発表されたが実際に面接すら実施されなかったことが発覚。当時は「社会的な不平等」に特に厳しい目を向けていた文在寅政権の時代だったため、一部から強い批判を受けた。
通信制大学&プロデューサーの出身校は?
こういった流れもあり、特に女性アイドルの大学進学が減っている印象がある。いっぽうで、男性アイドルたちのサイバー大学(通信教育制大学)への進学事例が多くなっている。これは兵役義務と関係している。本来なら18歳の段階で行かなければならないが、学業を理由にこれを延期することが出来る。そのため、大学に籍を置きながら仕事を続けるという形態が近年では主流になっているのだ。
「姉妹校の学生として韓国での留学生活を満喫」といった絵は描きにくいかもしれない。しかし日本の以下の大学は、K-POPアイドルが多く通う韓国の通信制大学と提携を結んでいる。
ジョングク(以上BTS)、MJ、ジンジン(以上ASTRO)、ヨンジュン・スビン(以上TXT)、リノ、チャンビン(以上Stray Kids)
グローバルサイバー大学―京都芸術大学
ジコ、ソ・ハンウン(元Wanna One)
東亜放送芸術大学―日本経済大学
いっぽうちょっと“渋め”のラインではこういった情報も。K-POPのプロデューサーたちは以下の大学を卒業しており、日本の大学とも提携関係にある。
ミン・ヒジン
ソウル女子大学―東北文教大学、白百合女子大学、大阪女学院大学ほか
J.Y. PARK
延世大学―慶応義塾大学ほか
パン・シヒョク
ソウル大学人文学部―同志社大学人文学研究院ほか
ちなみに筆者の出身大学・学科はソウルにある世宗セジョン大学の国語国文学科と提携関係にある。自分自身が推し活をするほどに愛したRAINBOWのスンアが同大学芸体能学部出身だったため、本人に「僕の出身学科がスンアさんの大学の国語国文学科学科と姉妹提携してるんすよ!」と超ハイテンションで伝えたことがある。あっさりと「ああそうですか」と返された。
自分の心の中での小さな指標、あるいは「志望校選びの小さなきっかけ」としてこの「姉妹校情報」をお伝えします。人生設計、といったおカタい目標と併せて持っておくと、ちょっとしたモチベーションにもなるのでは?
※留学制度などは該当学部・年度などによって大きく変動しています。詳細は別途ご確認のほどを。