写真提供=WORLD ENTERTAINMENT
韓流ドラマ「無人島のディーバ」「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」で知られるパク・ウンビンのコンサート(2月11日@NHKホール)に行ってきた。
「2024 PARK EUNBIN FAN CONCERT〈EUNBIN NOTE : DIVA〉in JAPAN」
彼女が主演した最新作「無人島のディーバ」で使用された楽曲を披露する。昨年11月に韓国でも行われたイベントを、東京でも開催するというステージだった。
彼女のキャラクターがすごく伝わってくる、本当に良い機会だった。すごかった。事務所側から厳選された当日のフォトが届いたので、こちらでご紹介を。
緊張感と「かわいい独占欲」
「いきましょう~」
日本語でのあいさつとともに、紅白歌合戦も行われるNHKホールのステージに白のドレスで現れたパク・ウンビン。ドラマ「無人島のディーバ」でもさわやかなインパクトを与えた「Drema Us」でステージはスタートした。
最初に見せた表情は、大女優らしからぬ(?)緊張感だった。
「歌手パク・ウンビンとして歌を聞いてもらうのは初めて」
「1年間レッスンして俳優が歌手になりました」
「ソウルでは5000人規模のステージで、東京では3500人も集まっていただき…新人の歌手には過酷です(笑)」
高音パートの多い2曲目の「Someday」、3曲目の「Night&Day」を歌い終えた後には 思わずガッツポーズも。
ステージが中盤になっていくと、MCで「かわいい独占欲」も見せた。
会場の中に「ギホさんが来てくれています。忙しいから来なくてもいいよって言ったのに」と告白。「無人島のディーバ」でチョン・ギホ役を務めたチェ・ジョンヒョプが来場しているというのだ。大きくざわつく会場。パク・ウンビンの“ツッコミ”に会場は大きく沸いた。
「ちょっと、好きすぎじゃないですか? 皆さんは私のものです!」
また、ステージ終盤にはこんなMCコメントも。
「(ここまで演じてきた)役は全て大事です。(では)私を好きになってくれたのか、役を好きになってくれたのか…もし迷うなら、私を好きになって!」
いずれも“私を見てほしい”とストレートに訴えた瞬間だった。
ハンパない優しさ
いっぽうで、「優しさ」や「配慮」を感じさせる言葉も多く飛び出したステージでもあった。日本のファンからもらったメッセージを読み上げるコーナーでは、80代の日本のファンが亡くなったことを報告し、涙ぐむシーンも。
個人的にインパクトが大きかったのは、序盤のあるシーンだった。客席にこの点を問いかけた。
「ファンクラブに入っている方~?」
「ドラマ(無人島のディーバ)を観た方~?」
ポロっと「自分一人だけで歌っちゃダメだから」とも。経験豊富だからこそ、客席への気遣いができる。そんなことも思わせた。
もうひとつ、改めてファンへの確かな配慮を感じさせたシーンが。公演の中盤、客席に降りて近くでファンとふれあう演出の前のことだ。こんなことまでも口にした。
「1階のみに降ります。2階、3階の客席のみなさんごめんなさい。開場前に3階席の一番端まで行ってみました。エレベーターや階段を使っていかないと行けないことが分かって、時間的にも行けないことが分かりました」
どこまでも優しく、丁寧なパク・ウンビンだった。
モッカを演じたからこそ感じる「日常への勇気」
俳優パク・ウンビンが劇中で演じた歌手の役(ソ・モッカ)と同じく、ステージ上で劇中歌(オリジナル曲)を観客に届ける。そんなコンセプトのステージは、彼女の多彩な表情や言葉とともに多く伝わってくるものがあった。
じーんと来る言葉もあった。彼女自身が、小さな島で歌手を夢見つつも波瀾万丈の人生を送り、最後に夢を叶えるモッカを演じつつ感じた点だ。日常を生きる勇気を与えるものですらあった。
「(モッカを演じながら)日常、都市生活を送っている中でも心のなかに無人島があると思いました。人は誰にでも寂しい瞬間がある。でも、モッカは無人島にあって、本当に小さいことで喜んでいましたよね」
「どこかで『やってもダメだな』と気づくことがあるかもしれません。でも、私はその最後の瞬間までベストを尽くします」
ディーバのウンビンは今日で最後、と彼女は言った。「(ドラマの)音楽チームが一緒に日本に来てくれました。パク・ウンビンのコンサートが終わってこそ、『無人島のディーバ』が本当の終わりになります」と。
その地に日本が選ばれたのだった。意義深いステージだった。今後は韓国で「次の作品の撮影に向かう」という。
(了)