TWICEの再契約報道が、日韓で連日報じられている。
発端はツアーだった。7月10日から12日、ソウルで6度目のワールドツアー「THIS IS FOR」のフィナーレ公演。約1年、44都市81公演。これが終わる前後からだ。
6月にジョンヨンの他事務所ミーティングが報じられた。また7月14日には、ツウィ・チェヨン・ジヒョの3の関連報道が1日で巡った。
韓国では9人中4人に「移籍説」が報じられているところだ。いずれも「TWICEの継続を前提とし、個人単位で事務所を移る」との前提で記事が書かれている。
2015年10月に韓国でデビューしたTWICE。K-POP業界ではグループ側にデビュー後7年目に契約見直しを提案する権利が与えられている中、TWICEは2022年7月、9人全員がJYPエンターテインメントと再契約した。この時は「誰も欠けなかった」ことがニュースになった。
あれから丸4年。契約期間は非公開だ。ただ韓国では、今年7月ごろが2度目の満了とみられている。
関連ニュースは韓国でどう報じられているのか。
「メンバーの意志」が連日報じられる
7月14日は各社の単独報道が並んだ。通信社「ニュース1」がツウィの再契約見送り。韓国の日刊紙「スポーツ京郷」がチェヨンの他事務所ミーティング。芸能メディア「ジョイニュース24」がジヒョの個人事務所設立。
1日で3人だ。どの記事も「グループ活動はJYPと続ける」を必ずセットで記した。ジョイニュース24はの内容は以下の通りだ。
「所属事務所が変わっても、チームのアイデンティティを維持するというメンバーたちの意志が反映された結果だ」
個人単位で事務所を移ること、グループとしてTWICEを続けることもメンバーが決めたこと、という報道だ。会社主導の話ではなく、メンバーが自分で選ぶ話として報じている。
「TWICEは続く」が前提に
韓国のスポーツ紙「スポーツ東亜」が7月14日、業界関係者の見方を伝えた。
「同じ日に競争するようにメンバー個々の噂が噴き出したが、TWICEとして一緒にやっていく点に大きな異論はないだろう」
「BLACK PINKモデルが、噂の多さと同じくらい支配的な話題に上った背景もまた、『TWICEは続く』という信頼に寄りかかっていると思う」
BLACK PINKもでる。個人活動はそれぞれの事務所で、グループ活動はグループの権利を持つ元の会社で。そういう分離方式だ。このブラックピンク・モデルという言葉は、BLACKPINKがYGエンターテインメントと組む形で知られており、韓国の紙面ではほぼ全記事に顔を出す。
同記事はまた、ジヒョが7月10日に米経済誌「フォーブス」で語った言葉も紹介している。
「この11年間、TWICEとしてもソロアーティストとしても、私たちはほとんど休みがなかった。今年の残りはリラックスして、少し休みたい」
この記事に関しては、移籍説と休養宣言が同時に報じられている。見出しは「安息宣言まで出た 急浮上するBLACK PINKモデル」だった。
株価を報じる経済メディア
いっぽう、韓国の経済メディア「イートゥデイ」の連載「エンターログ」は、株価の話も報じている。
JYPエンターテインメントの株価、年初来マイナス28.7%。HYBEがマイナス37.9%。YGエンターテインメントがマイナス41.7%。SMエンターテインメントがマイナス45.7%。
契約形態の変化により、個人活動が増え、TWICEの活動が減るようであれば、下がるだろうという予想だ。
サムスン証券はJYPの目標株価を7万7000ウォンに下げた。ダオル投資証券は8万7000ウォンから8万ウォンへ。日本では報じられていない論点だ。
また「経済」の話で言うと、スポーツ東亜はより深い指摘をしている。
「(TWICEが今後)『メンバーの所属事務所は別々に、でもグループ活動は一緒に』を選ぶなら、グループ活動の回数と期間、収益配分をどこまで具体的に合意するかが、このモデルの成否を分ける」
回数、期間、収益配分。
日本の報道では「スケジュール調整が複雑になる」という話で止まっている中、大きく切り込んだ内容だ。
「スタジアムを埋められるのはTWICEだけ」
関連の話題がこれほど注目を集めるのは、やはりTWICEのグローバルな人気が韓国でも認められているという証だ。
移籍説報道の4日前の7月10日。韓国の経済メディア「マネートゥデイ放送」の連載「エンターコノミー」。千允恵(チョン・ユンヘ)記者がこう書いていた。
「JYPエンターテインメント所属のガールズグループのうち、スタジアムツアーを消化するアイドルはTWICEが唯一だ」
TWICEの44都市81公演は、同社の他のガールズグループの規模感とは3倍から4倍の開き、と同記事は指摘している。
一方で同社所属のボーイズグループのStray Kidsは35地域56公演で、34会場のうち27公演がスタジアム開催となる規模だ。TWICEにも近い規模にある。
ただしメンバーの大半が20代後半に入った。iM証券の黄智源(ファン・ジウォン)研究員が言う。
「今後2〜3年内にStray Kidsの入隊が予想されるため、年次の浅いグループの収益化が重要な状況だ」
「TWICEクラス」は他にいない。今回の移籍説報道が出る前から、韓国の経済メディアはこれを経営の問題として書いていた。
「危機ではなく充実の証拠」
もちろん、韓国で報じられているのはこういう数字関連の話だけではない。通信社「ニューシス」のイ・ジェフン記者は、7月15日朝の評論で、こう記した。
「11年の同行 TWICEとJYP、遠心力で伸びていく9つの星、ひとつの銀河系をなす」
韓国では全般的に「解散危機かどうか」という報道は終わっており、契約の分け方、収益の配分、後を継ぐグループがいない事情、そして9人が次に何をやるかなどへと話題が移っている。
勤続21年。ジヒョは10年の練習生生活を経て2015年にデビューした。2025年にはJYP入社20周年の記念コンテンツまで作られた。その人が、ツアーを終えた2日後に、会社を出る方向で調整に入ったと報じられた。
それでも韓国メディアは騒がなかった。
スポーツソウルはこの状況に「各自図生(カクチャドセン)」と見出しを付けた。各自が生きる道を探す、という韓国の四字熟語だ。
JYPの公式コメントは、今も一つだけだ。
「現在、再契約を協議中。確定次第、お知らせする」
今後もこの話は韓国で熱い話題となっていくだろう。