NiziUが韓国デビュー前に語っていたこと 「J.Y. Parkの教え」「自分たちの強み」 =インタビュー全文翻訳

日本でもいくつかの媒体が「TWICEとのエピソード」を紹介していたように思う。

NiziUが30日の韓国デビューに際し、本人たちのコメントとして口にした言葉だ。

これ、じつは所属事務所側が韓国メディアに対し、プレスリリースの形で伝えたものだ。韓国の事務所は時としてインタビューの一問一答をテキストで伝える形式でPR活動を行う。

今回のNiziUのインタビューのなかには「TWICEとのエピソード」以外にも大いに興味深いポイントがある。抜粋して伝えるにはあまりにも惜しい内容だ。

ここでは全文を翻訳し、”見どころ”を少しだけ強調しつつ、紹介する。

 

 

――NiziUは日本で目覚ましい成果を生み出し、話題性を呼び、JYPのローカライズ戦略を実現させたグループです。韓国での正式デビューを控えて大いに期待されていると思いますが、そこへの思いと、最も楽しみにしている活動や成し遂げたい目標を教えてください。

 

MAKO:韓国でデビューすることになり、本当に嬉しいです。NiziUがこれまで日本で多くの経験を積み、準備してきたものをこれからお見せすることができるので、本当にワクワクしています。日本での活動を応援してくれたWithU(NiziUのファン)の皆さんも今回の韓国デビューを本当に心から喜んでいただき、応援してくださったので、メンバーたちも大きな力をもらいました。それほどに韓国デビューはNiziUにとって大きな機会でもあり、これからも9人で素敵なパフォーマンスを披露し、多くの方々に力を与えることができたら嬉しいです。ファンミーティングや音楽番組でファンの方々にたくさん会いたいです。そしてNiziUが日本で活動していた時も、韓国で応援してくださっていたWithUの皆さんに感謝の言葉を伝えたいです!

 

MAYA:韓国でデビューして、より多くの方々にNiziUの魅力をお見せしたいと思います。音楽番組に出演することも本当に楽しみです。個人的には韓国のバラエティに出演したいですし、ミニファンミーティングもやってみたいです。より多くのファンの方々と会う機会ができれば本当に幸せです。

 

MAYUKA:韓国でデビューすることができてとても嬉しいです。そして、韓国にいるWithUの皆さんについに会うことができるというのがすごく楽しみで、これまで待っていてくださった分、素敵なステージをお見せできたらと思います。

 

――今回公開されたメンバーたちのプロフィール映像を見ると、全員が韓国語を自然に話されていますが、どのように学んでいますか? また、最近学んだ韓国語でNiziUを表現、紹介するとしたらどのような言葉になるでしょうか? 

 

RIKU:みんなで韓国語の授業を受けていて、個人的には韓国アーティストの先輩方の映像やコンテンツを見ながら勉強しています。NiziUを一言で紹介するなら「기적(奇跡)」です。「Nizi Project」のオーディションでこの9人が選ばれて同じグループになったのも奇跡ですし、性格も違い、育ってきた環境も違うのに、本当に仲が良くてチームワークが良いのも奇跡だと思います。多くの奇跡が重なり、今のNiziUが完成したのだと思います!

 

RIMA:デビュー前から韓国語の授業をたくさん受けていて、メンバー同士で会話する時もたくさん使うように一生懸命頑張りました。まだまだ実力不足ですが、韓国語を学ぶことは楽しいので、今回の活動を通じてさらに上達できればと思います。また、最近学んだ韓国語の中でNiziUにぴったりの単語があったのですが、それは「찰떡궁합(相性がぴったりなこと)」です。NiziUのメンバー同士の仲が良く、性格もよく合うので、この言葉は私たちにぴったりだと思います。

 

MIIHI:グループ名のNiziUというスペルの中で、「NIZI」は「무지개(虹)」という意味です。NiziUは虹のように本当にたくさんの色(魅力)があると思います。ステージ上の姿と普段のNiziUを見て、様々な魅力にハマってほしいです。

 

――今回のシングルアルバム「Press Play」(タイトル曲「HEARTRIS」)は韓国で初めて発売される作品であるだけに、準備過程でも新しい部分が多かったと思います。レコーディング、予告コンテンツやミュージックビデオの撮影現場などで記憶に残っているエピソードはありますか?また韓国デビューを控えてメンバーたちはどのような会話をして気持ちを引き締めたのか教えてください。

 

RIO: レコーディング前に韓国語の発音をたくさん練習し、ハツラツとした曲の雰囲気に合わせて臨みましたが、少し難しかったです。曲の雰囲気を活かして歌うと発音がうまくいかず、発音がうまくいくと曲に合った雰囲気がうまく出なくてレコーディングの時間が長くなりました。でも努力をたくさんした分、本当に良い曲に出会えたと思います。韓国デビューを控えて、メンバーたちと「NiziUらしくやろう」「私たち、うまくやろう」という話をたくさんしました。9人が一緒ならどんなことも大丈夫だと思えますし、みんな上手くやれると思います。日本で活動した時からメンバー同士の仲が良く、お互いの居心地が良かったので、WithUの皆さんにもNiziUの本気がきちんと伝わったら嬉しいです。

 

AYAKA:私は自己紹介映像を撮った時、「いよいよ韓国でデビューするんだ」という実感が湧いてきました。カメラの前で韓国語を話すのは緊張して不思議でもあり、楽しかったです。ミュージックビデオの撮影現場では、近くに有名なパン屋さんがあると聞いて「揚げそぼろパン」を食べた記憶があります。本当に美味しくて、おかげで撮影を無事に終えることができました。

 

 

NINA:思い出に残っているエピソードはたくさんありますが、特に事務所の先輩たちから「おめでとう」という言葉を聞いた時、とても嬉しかったです。事務所で偶然お会いする度に応援していると言ってくださって、準備していた時、本当に大きな力になりました。そして韓国デビューのためにメンバー同士でパフォーマンスについての話をたくさんしました。初めての海外デビューであるだけに、本当に完璧で、魅力的なNiziUを早くお見せしたいという気持ちが大きかったと思います。

 

――タイトル曲「HEARTRIS」は、互いに異なるキミと私が出会って完璧なシナジー(相乗効果)を生み出す姿をテトリスに例えました。グローバルオーディションプロジェクト「Nizi Project」を通じて結成され、それぞれ異なる個性と魅力が出会ってグループとしてシナジーを生み出していますが、熱いチームの相乗効果を引き出せた特別な秘訣はありますか?

 

MAKO :メンバーたちは本当に仲が良く、チームワークが良い点がNiziUの長所だと思います。オーディションプロジェクトを通じて出会ったので、その時から辛いことや悲しいこと、嬉しいことや幸せなことがあった時、みんなお互いの気持ちをよく知っていて、相手を思いやることもできるようになりました。本当に、どれだけ大変でもメンバーたちと一緒にリビングに集まって話せば心配や悩みが消えます! 誕生日やクリスマスにはメンバー同士でマニト(一定期間、明かさずに親切にしてあげる対象)を決めてプレゼント交換もします(笑)。

 

MAYA:私たちはオーディション番組の時からメンバーたちと一緒に助け合い、たくさんの時間を過ごしてきたので、本当に仲が良いです。9人それぞれ魅力が溢れ、お互いを大切に思い、尊重しているので良いシナジーを生み出すことができるのだと思います。

 

MAYUKA:メンバーはみんな明るくて面白くて、優しいです。何よりも最大の秘訣はお互いをよく配慮し、助け合っているので仲が良いのだと思います。

https://www.youtube.com/watch?v=wLQKJSrg0jY

 

――日本プレデビュー曲、および正式デビュー曲と、韓国正式デビューのタイトル曲は、すべてJYP代表プロデューサーのパク・ジニョンPD(J.Y. Park)が作りました。「Nizi Project」から日韓でのデビューまで、全てパク・ジニョンPDと共に歩んできましたが、特別なエピソードはありますか? また、記憶に残るアドバイスがあれば教えてください。

 

AYAKA:まず、韓国デビュー曲を作ってくださって本当に感謝しています! 今回の活動が終わったら、一緒に食事をしようと言ってくださって、とっても楽しみにしています。また、パク・ジニョンPDが「NiziUらしい魅力と個性を見せられる曲だ」とおっしゃっていたので、私たちらしく一生懸命に活動したいです。

 

MIIHI:パク・ジニョンPDは、いつも良いアドバイスをしてくださいます! レコーディングの時やレッスンの際、今回の曲をどのように表現したらいいか、そしてどのように歌えばもっと綺麗な声を出せるのかなど、本当にたくさんの事を教わりました。デビュー当時から「仲が良いのが最も大事だよ」とたくさん言われていて、私たちはその言葉の通り、仲がとてもいいグループです! なので、毎日楽しく過ごしていますし、活動も楽しく行っています。

 

RIMA:日本デビューも、今回の韓国デビューも、タイトル曲にパク・ジニョンPDが制作参加してくださいました。いつもNiziUによく合う曲、そしてメンバーそれぞれに似合うパートをくださって、本当に光栄です。一緒に食事をする機会がある度に「自らが嬉しく、幸せにしていると、周りの人たちもそうなる」「どのような事にも感謝しなければならない」と言って、初心を忘れないようにしてくださいます。

 

――日本人メンバーのミナ、サナ、モモが所属するTWICEをはじめ、2PM、Stray Kids、ITZYなどJYP所属アーティストたちが、日本で大きな人気を誇っています。日本を代表する番組の「ミュージックステーション」「紅白歌合戦」などでTWICE、ユニットのMISAMOと共に出演したことがありますが、JYPの先輩アーティストが韓国デビューを控えたNiziUに伝えたアドバイスや、特別なコメントなどがあれば紹介お願いします。また、JYP所属のガールズグループという点が、グループの成長において力になった(影響を与えた)部分があるとしたら、どのようなことがありますか?

 

RIO:たくさん祝っていただきました。「そのままやっていけばいいよ」とも言ってもらいました。TWICEのモモ先輩に「友達が8人もいるから大丈夫だよ」と言われた時、とても心強く安心することができました。ずっとそばに居てくれるメンバーと一緒に、これからも頑張っていきたいです。

 

RIKU:TWICE先輩と会社で会うと、いつも優しく挨拶してくださって、私たちに「練習ファイト!」と声をかけてくださるので、頑張ることができました。ありがたいことに、先輩たちのコンサートを見に行ける機会があったのですが、その時「本当にグループの雰囲気が良くて、お互いを信じて愛さないといけないんだ」と感じました。実力や才能ももちろん必要ですが、チームワークがあってこそ、見ている方々も「もっと応援してあげたい」という気持ちが生まれるんだと思います。なのでNiziUも、先輩たちに教わったことを活かして、これからも素敵なグループになれるように、もっと頑張りたいです。

 

NINA:事務所に「VCHA」という新しいガールズグループがいます。私たちの韓国デビューとアルバム発売が決まった時、本当にたくさんお祝いしてくれて、会社で練習していた際に会ったときも、お互いに応援し合いながらパワーを貰いました。TWICE先輩とITZY先輩に会社でお会いした時は、デビューしてから時間が経っても、継続して一生懸命に練習されている姿を見ながら「私も常に初心を忘れないようにしよう」と思うようになり、たくさん影響を受けました。

 

 

――JYPエンターテインメントの現地化戦略“グローバライゼーション・バイ・ローカライゼーション”が適用された初のガールズグループです。JYPのノウハウ、体系的なK-POPトレーニングシステムを基盤にして誕生した、全員日本人のグループであるという点で、現地の他アイドルグループとの違いを持ち、シンドローム級の人気を謳歌するガールズグループに成長しました。NiziUの誕生の基盤であり、K-POPの中心地である韓国での正式デビューが、NiziUにとってどのような意味なのか、教えてください。また、韓国と日本の歌謡界で、NiziUのアイデンティティを“新しく新鮮だ”と感じるファンが多いようですが、K-POP市場でNiziUが担いたいポジションと、特に韓国のK-POPファンを虜にする魅力を説明してください。

 

MAKO:今回の韓国デビューが、NiziUを世界に知らせる良いきっかけになってほしいです。私たちは、日本でもお互いが違う地域で育ち、それぞれ違う個性を持っていますが、そんな9人が集まってパフォーマンスをするときに1つになるというところが、魅力ポイントだと思います。そして、メンバー全員がお互いを大切に思っていますし、NiziUというグループを心から大事にして愛しているところが、大きな魅力ではないかと思っています。

 

MIIHI:NiziUはより多くのグローバルファンに、新しく新鮮な魅力を伝えるパフォーマンスを披露できるという部分が、最も大きな長所だと思います。そして、もちろんダンスと歌が上手であることが本当に大事だとも考えますが、何より重要なのは、ステージを楽しむことだと思います。なので、私たちがステージを楽しむ姿を見て、たくさんの方々がパワーを感じてもらえたら嬉しいですし、それこそがNiziUの魅力だと思います。

 

NINA:まず、NiziUが夢見てきた韓国デビューを果たすことができて、本当に光栄でとても嬉しいです。韓国デビューは私たちにとって大きな目標であっただけに、これまで本当に一生懸命練習して、期待してきました。海外でデビューするということは、本当に難しいことですので。NiziUをずっと見守ってくださっているすべてのファンの方々のおかげで、私たちが韓国デビューまで来ることができたと思います。韓国デビューは、NiziUにとって新しい始まりであり、もっとたくさんの魅力を多様にお見せできる機会でもあります。そして何より、ステージの上では一番楽しくて幸せなので、ステージ上での気持ちとエネルギーをそのまま多くの方々に伝えたいです。それが最も大きな魅力であり、ポジションになれると嬉しいです。

 

――韓国で初めてのシングルリリースであるだけに、今回NiziUに初めて会う音楽ファンもいると思いますが、世間の方がNiziUをどのようなグループとして覚えてほしいですか?

 

MAYUKA:明るくてエネルギッシュな歌とパフォーマンス、そして多様な姿をお見せする予定なので、見てくださる方々が、私たちを見ていたら自然と笑顔になってしまうグループとして、覚えていただけたら嬉しいです。

 

MAYA:NiziUにとって韓国デビューは大きな目標でもあり、新しい始まりでもあります。見れば見るほど、多彩な魅力とそれぞれの個性にハマっていくグループとして覚えていただいきたいですし、そうなれるように、これからも努力していきたいと思います。

 

RIMA:NiziUは、メンバーの多彩な魅力とカラーを、音楽を通じて伝えたいという気持ちがあります。NiziUだけの明るいエネルギーを、聴く方々に良い影響として与えられたらうれしいです!

 

自らの結束の強さを幾度も強調する。そしてそれを楽しむ姿を見せたいという思い。これがNiziU自らが「韓国で見せるべきもの」と考えている。そんなことを感じさせるインタビューだった。

写真=JYP ENTERTAINMENT

翻訳・構成=編集長 吉崎エイジーニョ