編集部より

クラファン実施中 韓国トレンド研究所編集長が語る「はっきり言って助けてください」

(PRの内容が含まれます)

韓国トレンド研究所がクラウドファンディングを実施している。「K-POP情報」と「現地トレンド情報」の二つの軸から構成されるこのサイト。これを「パワーアップする」という主旨のクラファンは、なぜ実施されるのか。誰も話を聞きに来てくれないので、編集長の吉崎エイジーニョが自分で自分をインタビューした。

吉崎エイジーニョ 韓国トレンド研究所編集長。1999年大阪外国語大学(現阪大外国語学部)卒。1997年には延世大国際教育部留学。Yahoo!ニュースエキスパートオーサー&NAVER公式ブロガーという、唯一の「日韓ポータルサイトに執筆する書き手」。韓国語によるインタビュー多数。書籍に「メッシと滅私 個か組織か」(集英社新書)ほか。本名英治。父克彦、母まち子。普通の県立高校―地方国立大卒の子。18歳まで東京に行ったことがなく、21歳まで外国に行ったことがなかった。ペンネームはサッカーのロナウジーニョから。ホントは話が長いがそういうことにしている。

――まずは、韓国トレンド研究所とはどういったサイトなのですか?

2022年秋にスタートさせました。2024年8月から出資を受け、本格的に稼働させています。私が韓国のK-POP事務所と直接交渉して得た韓国語でのプレスリリースをベースにした記事や、Yahoo!ニュースエキスパートとしての英知を注入したオリジナル記事、K-POP基本キーワード説明、ソウル旅情報などが主たる内容です。

――「トレンド研究所」と銘打つ理由は?

まずは近頃は「お互いの国のトレンドが、お互いのトレンドになっていく」という傾向がありますよね。近頃ニュースを見ていると、韓国で2年前くらいにブームが来た「麻辣湯」が、今日本でブームだそうです。だから「韓国のトレンドを知ることによって、日本のトレンドを先取りできる」という機能を果たしたい。あとは、K-POPの記事ひとつとっても、私はそこに「なんでこういう曲が今の韓国でニーズがあるのか」という社会背景を紐解いていきたい。そこに韓国メディアの翻訳記事とは違う、オリジナリティを作り出していきたいのです。ニーズ=トレンド。だからトレンド研究所なのです。

――このサイトでクラファンを実施する理由とは?

読者のニーズがどこにあるのか。これを探る作業は、自分の努力によって続けます。ここでお願いしたいのは、その領域以外の資金が必要な「パワーアップ計画」です。まずは来日時のK-POPアイドルを連続でインタビューしていくYouTubeチャンネルをやりたい。徹子の部屋K-POP版みたいに育てていきたい。来日時というのはインタビューのチャンスであると思うのです。「日本のファンに向けたメッセージを伝える」という意義付けが明確なので。最近ではテキスト媒体でTHE BOYZとSTAYCに時間をいただきました。まずはファンの皆様にアーティストの声を届けるところを考え、そのうえで我々のサイトの認知拡大と、記事の拡散ルート開拓にも活用させてもらいたいという考えです。
もうひとつは韓国のZ世代のトレンドを扱うメディアとの提携をやりたいと思っています。日本の読者が「韓国のZ世代が何を考えているのか」を知るサイトにしていきたいのです。こちらも資金が必要なものです。

――クラファンといえば「リターンを買ってもらう場所」でもあります。どういったものを?

本サイトの読者向けのものと、それ以外を明確に分けています。読者向けのものだと、「いっしょにわいわいしながら研究員やりましょう」「あなたのTikTok動画、サイトに掲載します」「カバーダンスグループ取材に行きます」「推しに会うときにどう韓国語を話したらいいのか、お教えします」「はじめて韓国に行く際の心構えお教えします」あるいは「お父さんお母さん、娘とK-POPのこと話す時のコツをお教えします」などなど。ご支援をいただけましたらサイトとはまた違った形で、私の大阪外大時代以降培ってきた韓国関連の知識・ノウハウをお伝えいたします、というリターンです。

 

――ご自身、サッカーを多く書いてきましたが、ここ数年はK-POPの記事が目立つように思います。なぜですか?

K-POPには感謝してもしきれません。あれは2010年のことです。30代だった私は、結婚の機会を逸して、めっちゃ落ち込んでたんですよ。彼女が逃げて行っちゃった。2010年といえば、ちょうどKARAと少女時代が日本デビューした年でした。これが私を復活させました。韓国語を解する私に対して、周囲のおっさんたちからの問い合わせが相次いだのです。「この動画、なんでニコルとスンヨンだけヘッドマイクが右耳についてるの?」「ダンスの時に膝が安定しないメンバーがいるけど、なんで?」…知るかって。でも質問に答えているうちに、「俺ってまだまだやれるんじゃないか」と思い立ったものです。どちらかというとKARA派でしたが、少女時代についてもめっちゃ韓国語で調べた。聞かれたことに答え、感謝してもらえる。これが私の原動力です。

――時代は過ぎ、今はZ世代が日本のK-POP文化を醸成していっています。

まずはリスペクトがありますよね。この世代が新しい日韓関係を築き、既存の考え方を変えていった。自分たちができなかったことをやっているわけです。

自分自身も外語大で韓国語を専攻しつつ、よい日韓関係が出来ていくことを望む立場にあります。もちろんライバルとして競争することだっていい関係だとは思いますが。自分にとってのチャンスは日韓共催の02年ワールドカップでした。サポーターの日韓交流をやりたかった。動きは進めていましたが、2001年秋の日本の与党の政治家の靖国神社参拝で急速にムードが冷めてしまいました。何かのせいにするわけではないですが、結果としてそれは成し遂げられなかったのです。

でも今の世代は圧倒的なパワーは違いました。「推しが好き」というパワーです。政治の問題ももろともせず。あの難しかった2019年を乗り越えたわけですから。日本と韓国は似ているようでちょっと違う。その違いがかつては「微妙だな」と受け取られていたのが、見事に「カッコいい」という価値に転換させた。そりゃ、スゴいですよ。

  • 自分で自分に聞くという異例の形式のインタビューゆえ写真も自分で撮っている 右手にあるのはSAMSUNGギャラクシーのタッチペン 写真を撮る際にはシャッターにもなる(もちろん筆者撮影)

――その世代に何かを還元したい、という思いがある。

はい。せっかく若い時代に「K-POPの推し活」をするんだったら、その時代をちょっとでも有益なものにしてほしい。これですね。

具体的には「K-POP記事を読むことで、韓国社会のことにちょっとでも詳しくなってほしい」というものです。

「韓国トレンド研究所」のK-POP記事では、ほんのちょっとだけ、サラッと「なんでそれが韓国で流行っているのか」「韓国がどういう傾向にあるのか」という要素が入っている。堅苦しくないように。これが「トレンド研究」を志す理由でもあります。

これを蓄積していって、今のZ世代が韓国の人たちともっと雑談できるようになってほしい。推しの話をするだけでも、そのメンバーの出身地がどこで、その街はどういう場所なのか知ってる。そういう状態に近づいてほしいと思うのです。これが将来の日韓関係にも繋がっていく。そう信じています。

――ご自身は若い頃、何かにハマっていました?

サッカーです。自分自身もオタクでした。サッカーの。部屋にこもってずっとサッカー雑誌を読んでいました。両親にはチクチクと注意されました。「あんた勉強してないでしょ?」と。うーん、やってたけど偏ってたんですよね。数学理科0点。英語だけ100点みたいな。はい、やってませんでした。でもこの時間が今、すごく役に立っていることがあります。「知らず知らずのうちに世界の地理歴史を知れた」。

今の若い世代のK-POPファンはなかなかこれが難しいと思うのです。なぜなら日本で目にするK-POP記事の多くが、韓国メディアからの翻訳記事だからです。元々は韓国の編集部が韓国の読者に対して書いたもの。だから「韓国がどうだ」という情報は当たり前すぎて割愛されている。

翻訳記事自体を否定するわけではないです。合理的に多くの記事を配信する方法です。我々のサイトにも翻訳記事は存在します。

自分はそのベースにプラスアルファを加えたい、と考えているんです。違いを出したい、というところです。

(編集部注:以下動画は本人が韓国語でサッカーのことを喋って14万PV。まあまあである)

――今後のプランは?

K-POPの本場・韓国の現場に切れ込んでいく記者」というのをやってみたいと思っています。他にはいないので。私、元々NAVERで「日本スポーツ」に関する公式ブロガーも務めているのですが、この領域がエンタメに拡がることが決まりました。NAVER側とも日々やりとりをしています。あと、先日は初めてYGの社屋で行われた会見に行ったんですよ。「BABYMONSTER」の会見で。「日本から来た記者の方はお一人だけです。メンバーも喜ぶでしょう」と言ってもらえて、すっかり調子に乗っています。韓国の事務所とのやりとりから得られるライブ感。そういったものを伝えていきたいです。あとはスポーツの方でノンフィクションを多く書いてきたので、これをK-POPにも当てはめてみたい。メンバーたちの心の揺れ動くさまを描いてみたい。まあ事務所側が許してくれるか分かりませんが。

韓国トレンド研究所のクラウドファンディングでは、以下のようなリターンを準備している。

「いっしょにわいわいしながら研究員やりましょう」
「あなたのTikTok動画、サイトに掲載します」
「カバーダンスグループ取材に行きます」
「推しに会うときにどう韓国語を話したらいいのか、お教えします」
「はじめて韓国に行く際の心構えお教えします」
「お父さんお母さん、娘とK-POPのこと話す時のコツをお教えします」

(PR記事) 執筆=本人 取材=本人。

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Published by
吉崎 エイジーニョ