8月11日は日本の「山の日」。
日本の国土の6~7割が山地であることに感謝し、自然の美を称えようという日だ。2016年に祝日に制定された。8月11日となった理由は「八」が山のそびえる姿、「11」が木々の姿に似ているなどの理由からだ。
ここではかなり角度をつけた「韓国と山」にまつわるエピソードを。
「BTSが登った韓国の山」。
韓国では伝統的に登山が大人気レジャーなのだ。有名な山も多いが、ここでは一つだけ「BTSのVが登った山」について紹介を。もしよかったら登ってみる?
韓国における登山の人気は非常に高い。
筆者自身、90年代に留学した際にはありがたいことに毎週のように「登山に行かない?」と誘われた。人口約1000万のソウルには海がない。いっぽうで盆地構造のソウルは、小規模で登りやすい山にも恵まれている。「大人数で登って、下山後にはマッコリを飲んでワイワイ」というのはありふれた風景だ。
実際に2015年の大手世論調査会社「韓国ギャラップ」の調査では韓国人の最も人気のある趣味が「登山」であることが明らかになった。約1800人の回答者のうち14%が登山を「最も好きな趣味」だと回答。他の人気のある趣味である音楽鑑賞(6%)、運動・フィットネス(5%)、ゲーム(5%)、映画鑑賞(4%)を引き離した。
20歳以下の男性は「ゲーム」が1位で、同じく20歳以下の女性は「音楽鑑賞」だったが、40歳以上の男女はどちらも「登山が最も好き」と答えたのだった。人気スポーツ(やるスポーツ)のなかでも登山はサッカーに次いで堂々の2位。野球、水泳、ウォーキングを押さえての結果だった。
さらに韓国人の登山好きをうかがい知れるエピソードがある。
「一緒に登山をしたいアイドル」
そんなアンケートが行われたのだ。「映画を見たい」とか「デートしたい」とかではない。「登山」。いかに韓国で登山が日常的なレジャーなのか、ということが分かる。
アイドルアンケートアプリ「最愛ドル」で2020年8月27日から9月2日まで行ったアンケートの投票者数はなんと18万6000人以上。そのうちじつに6万7589人が投票し1位になったのが…
BTSのVだった。
本人の登山に関するエピソードもこの結果を後押ししたと思われる。エンターテイメント番組「タリョラバンタン EP44」にて、罰ゲームとしてRMとともに冬の早朝にソウル市内の峨嵯(アチャ)山に登った。その時、いくつかの名言を口にした。
山の途中では
「こんなにきつくても、登ればヒリヒリする風景がある」
頂上では
「みなさん、ここがソウルです」
RMが「で、なんでこんなに寒いんだ。え? なんで何も言わない」とツッコむと
「新しい朝が始まる、っていうことでしょ?」
空を飛ぶ鳥の群れを見て
さらに、「朝の散歩に行くんだな」
最後に「ここに罰ゲームできているけど、こんなに美しい風景、別に罰ゲームではありません」とも。
この峨嵯(アチャ)山、ソウルにある山のなかでも登山におススメなスポットでもある。
・最寄りの地下鉄駅あり(5号線)
・地下鉄駅2番出口から登山路入口まで徒歩15分
・登山時間自体はおよそ1~2時間
ソウルに位置し、漢江と都市が一体となった素晴らしい景色が楽しめる名所。山自体はあまり険しくなく、整備された登山道があり、初心者にも歩きやすいつくり。蚕室(チャムシル)から南山(ナムサン)、北漢山(ブクハンサン)、道峰山(ドボンサン)まで360度のパノラマビューを堪能できる。ここでしか感じられない開放感と、頂上からの涼しい風が人々を魅了している。
真夏の今の時期はさすがにおススメしないが、涼しくなってくる9月中旬以降にぜひ!